冷凍機で冷える理由
大まかに説明すると、アンモニアやフルオロカーボンのような、蒸発しやすい液体を蒸発させ、その蒸発熱で周囲から熱を奪い冷やします。
以下の状況を想像すると解り易いと思います。
・暑い夏に打水をすれば涼しくなる。
これは水の冷たさよりも、水が蒸発する為に、周囲の空気から蒸発熱を奪い、空気が冷却されるからです。
・アルコールを浸した綿で腕を拭いたとき、涼しく感じる。
アルコールは気発温度が低い為、体温で気発し熱を奪います。
水やアルコールに限らず、すべての液体が気体になるには、蒸発の潜熱が必要で、蒸発温度(沸騰点)が周囲のものより低い場合には、周囲のものから熱を吸収し、周囲のものは冷却されます。冷凍機は以上のような自然の現象を機械的におこなっているもので、アンモニアやフルオロカーボンのような薬品(冷媒)を密閉させた冷却管の中で蒸発させ、その時必要な蒸発熱を周囲のものから吸収するために、周囲のものは冷えます。
冷凍機の原理
一般的に使用する冷凍装置の中で、アンモニアやフルオロカーボンのような液体の冷媒を、狭く絞る弁(膨張弁)を通して、急激に圧力が低くなるようにして押し流してやり、周囲のものより冷温で蒸発するようにすることで、周囲のものは熱を取られ、冷やされます。蒸発しきれないで液のまま残った、圧力の低い液も熱を奪われて低温になり、更に周囲のものから熱を奪って次第に蒸発して、気体になる。
気体になった冷媒は、圧縮機で圧縮されると、圧力が上がると共に温度も上昇します。そこで、常温の空気や水で冷やすことで、気体の冷媒は空気や水に熱を奪われて、液体に戻ります。
液体になった冷媒は圧力が高いままなので、再び膨張弁の狭い部分で押し出されて圧力は下がり、蒸発しやすい状態になり、蒸発をします、この動作を繰り返し冷却作用をおこないます。
この冷却作用の中で、冷媒の液が蒸発して気体になる部分を蒸発器といい、圧縮した高温高圧の気体の冷媒を冷やして液体にさせる部分を凝縮器といいます。